神谷は、彼女の失敗を自身のミスとして監督に報告し、修理代も自ら肩代わりすることを申し出る。この出来事により、詩織にとって神谷は守ってくれるヒーローのような存在となり、感謝の気持ちは募るばかりであった。しかし、翌日、彼が彼女の部屋を訪れた際に語られた言葉は、それまでの理想とは大きく異なるものだった。彼は彼女の支払えない借金を理由に、非常に不平等な条件を突きつけ始めるのである。
二人の関係性は、憧れの先輩と後輩という純粋なものから、債務者と債権者という逃れられない支配関係へと一変する。神谷は、彼女が拒否できない言葉を巧みに使い、心理的な逃げ道を一つずつ塞いでいく。金銭的な返済も、監督への相談も、彼女が「悪者にしたいのか」という言葉によって封じ込められ、彼女は社会的な立場と感情的な繋がり、その両方で彼に深く縛られていくことになる。