登場するのは、表向きは平穏な生活を営んでいるようでいて、その実、それぞれが秘密の顔を抱えた男女です。妻は「ママ活」という形で、夫は「パパ活」という形で、互いに相手に内緒で、別のパートナーと関係を継続させています。二人の間には、表面的な会話こそ存在するものの、心の底では互いに対する不満や、決して埋めることのできない心理的な溝が、静かに、しかし確実に存在しています。
そんな二人が、偶然にも同じ旅館で、それぞれ不倫相手を連れて滞在していることが判明します。旅館でのデート中に、まさかの相手が、まさに自分たちと同じ状況にある夫婦だったのです。互いに罵り合い、不倫という行為を否定し合うような関係だったはずの二人が、逃げ場のない閉鎖的な空間で、あまりにも奇妙な形で対峙することになります。