主人公の少女であるゆいと、その恋人であるそうすけは、なぜか不可解な理由によってその不条理な部屋の中に閉じ込められてしまいます。二人の間には、まだ言葉では言い表せないような、どこか進展しきらないもどかしい関係性が存在していました。そんな二人の行く末を大きく左右することになるのが、予想だにしない第三者の介入です。この予期せぬ介入こそが、本作を単なる閉鎖空間での出来事として終わらせず、より重層的で複雑な人間関係のドラマへと昇華させる重要な鍵となっています。二人の関係が、この状況によってどのように変容していくのかが物語の重要な焦点です。
実は、この異常な状況を作り出した真の犯人は、ゆいの母親でした。娘たちの関係がなかなか進展しない様子を、もどかしく、あるいは危機感を抱いて見ていた彼女は、二人を強引に前へと進ませるべく、この特殊な状況を画策したのです。親としての焦燥感と、娘の幸せを願うあまりの過剰な介入という、ある種、極端とも言える動機が背景にあります。しかし、事態は彼女の計算を遥かに超えた展開を見せます。策を講じたはずの母親自身までもが、その部屋のルールによって出られなくなるという、制御不能な混乱状態へと陥ってしまうのです。これにより、物語は二人から三人へと、その規模を拡大させていきます。